事例紹介
業務工程を手書き伝票からクラウド化し、業務効率UPと収益UPを実現した小売店
支援前の状況
老舗企業ならでは。時代の変化に対応できないアナログ管理
S社は創業以来95年の老舗家具販売店である。先代社長(2代目)が存命の際は、年間売上8億円と地元でも有数の企業であった(引き継いだ現社長は、先代社長の配偶者)。先代社長が病気になった際、3店舗あった販売店を本店のみに縮小したが、カリスマ的に営業力のあった社長が逝去した後、営業力の高いスタッフの退職も重なり、売上はピーク時の1/4に。取引メイン行からの相談で、補助金利用しての経営改善計画書を策定したが、思うように改善が進まなかった。計画納品から約1年経過した後、売上は元より資金繰りおよび利益確保が厳しいだけではなく、業務改善、社内デジタル化も全く進まないと、更なる協力を依頼されて支援開始となった
支援した内容
費用負担の低いクラウドシステムを導入
手書きの複写伝票を用いての見積作成、手書発注伝票の作成、請求書はエクセルデータでの入力と、接客以外にかかる事務作業工数が多くかかっており、記載ミス等により不良在庫が発生していた。さらに見積り作成後、受注になったのか?失注なのか?原価率はどうなのか?誰も把握できていないことから、業務の基幹作業をクラウドシステム導入により、オールデジタル化の支援を行った。既存伝票をデータ化させただけでなく、売上予測、見積中案件の結論日の確認と、データの2次利用を行い営業会議を新たに設けた。
結果
システムからのデータ2次利用し営業会議。売上・粗利UPと残業削減へ
見積作成→発注書作成→請求書作成→経理への売上報告→顧問税理士への共有が、IDとPW入力だけで、社内外から確認できるようになり、複数の伝票作成、手作業での集計作業が無くなり、間接工数が減少。深夜残業および休日出勤が完全に無くなった。さらに、見積提示した顧客への再度のアプローチを会議で共有することで、見積を出しっぱなしが皆無となり、結論をもらうという習慣がスタッフに定着した。また発注伝票から個別案件の原価率が瞬時に把握できるようになったことから、試算表ベースで粗利率の悪化が確認でき次第、営業スタッフ別・案件別の粗利状況を営業会議にて共有。粗利率改善の指針を数字を元に全員で共有・実践した。
システム導入~会議利用を行ったことで、導入前より売上が113%UP、粗利率が6%改善。人件費の抑制効果もあり、営業利益は267%UPとなった。
■ご相談者の声
コロナ禍に入る前に、社内業務フローの見直し、さらに売上を確保する具体策まで構築できた。結果、コロナ影響も最小限どころか、ここ10年では、過去最高益となり、資金繰りも安定。取引銀行との信頼関係も築くことができたのもよかった。